保育園における調理職員の役割を教えてください。

金田食を通して子どもの健康を支えることが役割だと考えています。そのためには、生きるためにただ食べるということではなく、コミュニケーションとして楽しく食べるとか、健康を考えて食べるとか、食べることの意味を子どもたちに伝えることが重要だと思います。 その際は、特に子どもが今何に興味を持っているかに着目して、食育活動を行うと子どもたちの反応も全然違いましたね。
坂元具体的にはどんな活動を行ったんですか?
金田幼児クラスの子どもたちが図鑑にすごく夢中になっている時期があって、その時にちょうど人間の体の図鑑みたいなものがあったので、食べ物が体の中に入ってから出てくるまでどんなプロセスを経ていくのか、というのを子どもたちと一緒に考えました。
坂元なるほど、面白い活動ですね。私は食が自分の体にどのような影響を与えるかを考えてもらうことを食育活動の中心として行っています。やはり、自分の体の中に取り込む食は人間の心身に直接的に作用するものですから、食べるという過程に対する結果について考えることは大事かなと思います。
村上たしかに、そうですね。私はそこからさらに、食を通じて人と人とを繋げることだと思っています。例えば野菜を育てる人と食べる人、調理を作る人と食べる人、食というものを媒介にして様々な立場の人が関わりますから、子どもたちは食育活動を通じて、作る・料理する・食べるなどそれぞれの立場を経験してもらうことが、人と人の繋がりを知る第一歩だと思います。
坂元そういう意味では単に食事のことだけでなく、子どもたちの興味・関心や発達段階などに対する理解も深めながら、保育士さんと協働していくということも保育園の調理職員には求められていますよね。

調理業務や食育活動をする上で大切にしていることは何ですか?

坂元私は、子どもの食に関する情報を自分から取りに行くことを大切にしています。 特に0・1歳児など個々の発達に合わせた食形態の提供が必要な年齢では、こまめに担任とコミュニケーションを取るようにしています。
村上私も保育の乳児リーダーと情報共有を図るなど保育士さんの情報と合わせて、実際に自分の足で保育室を回って、子どもの食事場面を観察したり、介助したりするようにしています。
金田やっぱり、充実した食そして食育活動のためには実際の子どもの観察やそこから何を読み取るかは大切ですよね。私はそういった子どもとの関わりの場面では、子どもが何に興味・関心、苦手を感じているのかを捉えることを大事にしています。例えば、食べ物でいえばピーマンが嫌いなどです。その子に自分の立場で何ができるか考え、ピーマンを題材に栽培からクッキングまで一連の食育活動を行ったのですが、その活動の後に苦手なピーマンが克服できたのを見て、単に苦手な食べ物が食べられただけではなく、食を通じて「苦手を克服できた」という自己肯定感や達成感を育むことができるんだなとあらためて感じました。

あい・あい保育園はどんな園ですか?

坂元少人数制で、子ども一人ひとりの発達・成長に合わせて、調理の工夫や食事の介助がきめ細かくできるという意味でアットホームな園ですね。
金田職員同士も、保育士だから調理だからという壁がなく、調理職員も含めてみんなで子どもたちを保育していくという風土がありますよね。実際、保育園の職員の一員として、保育士さんと一緒に様々な行事に参加したり、会議に出たりしますからね。
村上それに、子どもたちとの物理的な距離感も近いですから、本当にもう一つの家のような光景がたくさんありますよね。私の園では、調理室の前にきて、興味津々に調理工程を見学していったり、今日の給食のメニューを聞きに来てくれたり、食べた感想を教えてくれたりするようなことが当たり前の光景になっていますから、調理にも熱が入りますね。
金田食育活動でも同じことが言えるかもしれませんね。人数が多いと、どうしても作業的になってしまう感は否めませんが、少人数の場合、子ども一人ひとりの興味や関心、反応などを拾って、気づきや学びに繋げていくことができますよね。 先日も枝豆を育てるという食育活動の中で、大豆になるまでの過程を観察したんですが、子どもたちそれぞれの着眼点で、興味津々に参加してくれました。
坂元そういった意味では人と人との関わりを大切にしている園とも言えるかもしれませんね。私も日々、食育活動などを通して子どもたちからパワーをもらっていますから、人との関りというのは、子どもたちが健やかに成長していく上で欠かせない要素の一つかもしれませんね。